Les Jeux et les Hommes

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旧SWでひたすらダンジョンに潜る。第2回

世界樹の迷宮』は序盤の金銭収支がかなり厳しい。だからみんなにもお金のことで苦しんでほしかった。そう思って始めた『ソードワールドRPG完全版』キャンペーンのプレイノート&雑感です。

あらすじ

エストン山脈の中腹にある巨大な遺跡。PTは前回、落盤で通行の断たれた冒険者たちのベースキャンプに食料品と生活必需品を運ぶ仕事を受け、達成した。第2回はその直後から始まる。

まず遺跡についてベースキャンプの顔役の1人であるルガートという冒険者から説明を受けるPT。ベースキャンプには下の階段がいくつもあり、各々のPTが1つの階段を担当、降りた先の地図を作っていって、遺跡の全体像を明らかにしようとしている段階らしい。

説明を受けていると、突然大地震が発生する。あちこちで落盤が起こり、PTが通った道も閉ざされてしまう。どうやらベースキャンプは完全に埋もれてしまったようだ。

ルガートは今、探索に出ているPTのことが心配だと言い、手分けして捜索に行くべきだと判断。PCたちには低層を探索しているアーサーという男のPTを探すように依頼する。

なお、地震で補給ルートが断たれたため、食料品・生活必需品の相場が5倍に。「露骨に財布を削りにきた」などと言われるGM

レイノー

PCたちは遺跡B1F西部の1区画でアーサーのPTの捜索にあたる。この区画は最近見つかったもので、地図は現在アーサーたちが作成している最中だ。

PCたちは微かに残るアーサーたちの足跡をたどって迷宮の奥へと進んでいくが、突如目の前に紫色の霧のようなものが立ちはだかる。霧は濃く、中を見通すこともできず、しかもPCたちのほうに向かってくる。アルマはその霧の中ではマナも精霊力も枯れてしまっていることに気づく。気持ち悪さを感じたPTは迂回することにした。ところが調査の結果、アーサーたちの足跡が紫の霧の中を突っ切るように続いているらしいことがわかる。

それから、ソーサラーなら精神点を1点使うことで紫の霧を操作することができることが判明。アルマが霧をどかせて道を作り、先を急ぐことにした。霧の中を進んでいくと、その霧は落盤でできた大穴から上がってきていることがわかった。霧の発生源はより下層にあるようだ。

霧の中を抜け、最深部に到達したPTだったが、奇妙なものを目撃してしまう。

扉のない広間、部屋の中央にあるおびただしい血の跡。

謎の大扉、それに向かって剣を構えた戦士の石像。

散りじりになった4人の足跡。

それらを見て、PTは「大扉の向こうには石化の魔力を持つ怪物が控えていて、それに出会ったアーサーのPTはパニックに陥ってちりじりになったのでは?」と推理する。PTは広間も大扉も無視して先に進むことを選択。

その先でPTは石化したシーフを発見。それからソーサラーの女の子も発見する。彼女はアーサーのパーティーメンバーの1人だった。彼女に話を聞くと、PTの嫌な予感は当たっていた。大扉の向こうには「髪の毛が蛇の魔物」が潜んでいて、アーサーは扉を開けた瞬間石にされてしまったのだそうだ。PTはばらばらに逃げたが、シーフは追いかけてきた怪物に石にされ、1人で別の方向に逃げた神官戦士はおそらく広間でまた別の何かの犠牲になったようだった。

その一方で、ソーサラーの女の子は「紫色の霧」を知らなかった。どうやら大地震をきっかけに現れたもののようだ。いったん石像になってしまった2人の救出は諦め、PTはベースキャンプに戻ることにする。

ベースキャンプでルガートに事情を説明すると、ルガートも紫色の霧に遭遇したと言う。今までそんなものには出会ったこともなかったそうだ。彼によると、紫色の霧に触れると体内のマナ・精霊力を吸収され、精神点にダメージを受けるとのこと。

ここでミッションをクリアし、報酬1000ガメルと経験点を獲得するPT。

その後、B1Fのマップ埋めのため改めて探索しに向かうPT。めぼしい成果は魔晶石(6点)くらい。

GMのメモ

メインシナリオの終了後、PLの要望でB1Fのマップ埋めを急遽行いました。ちょっと悩んだのは経験値をあげるかどうか。

配置されているMobはモンスターレベル1〜3と低く、一度街に戻っているPTにとっては大きな危険はないと思っていました。実際、発生した戦闘にPTはほぼ一方的に勝利しています。これに経験値を出すかどうかはGMごとに判断が分かれそうですが、僕は「ベース経験値は通常の半分(500点)」ということにしました。

まず、メインシナリオと同等のベース経験値(1000点)はあげられません。B1Fの山場をPCはすでに通過しているからです。第2回のシナリオのキモは以下の3つ。

  1. 紫色の霧への対処
  2. 血痕のある広間に入るかどうか
  3. 大扉を開けるかどうか

たとえば、大扉の奥にはメデューサが待ち構えており、開けた場合はPCが石化する可能性もありました。メデューサのモンスターレベルは3であり、石化さえしなければそれほど手強い相手ではありませんが、抵抗に失敗すれば石化解除のために多額の借金が必要になったでしょう(もちろん、倒せばそれなりの報酬を与えるつもりでした)。

上記のそれぞれについてリスクとリターンのどちらを取るかはPTに任せる形であり、「アーサーのPTを探す」というミッションを達成する前にその判断を迫られるようにシナリオを作っていました。しかし、追加のマップ埋めではこうした難しい判断は一切ありません。

通常、ベース経験値はこうした悩ましい判断を乗り越えてのミッション達成(あるいはそれに相当するボスの撃破)に対して与えられるべきです。そのため、「追加のマップ埋め」に通常の半分とはいえ、経験値が発生するのは変と考えることもできるでしょう。

僕がここで経験値を与えることにしたのは、「PLが自発的に冒険を継続したい」と言ったのが直接的な理由です。時間を投じてプレイする以上、何も見返りがないというのはちょっと残酷かなと。TRPGは時間を共有して楽しむものであり、経験値はその楽しさを数字の形で記録したトロフィーと見ることもできるのではないでしょうか。結局、ゲーム的な理由ではないところで決めたわけです。

ただ、GM的にはPLがもがき苦しむ様が見れないと充実感が今ひとつなので、次回はマップ埋めもスリリングになるようにシナリオを作る予定。